Biography
岡城千歳
万華鏡のように変化するピア二ズムと評され、独特の個性と色彩豊かな音色、確固たる表現力と独創性で世界的に注目を浴びている。ソロ、室内楽と協奏曲で日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、南アメリカで活動。数ある批評では、“彼女のこの演奏は驚くべきものだ。彼女が余分な手のもう1本や2本隠し持っていないなんて信じがたい。離れ業だ……もし仰天するようなピアノ演奏にふれたいなら、聞いてみるべきだ。” (ニューヨークタイムズ)https://archive.nytimes.com/www.nytimes.com/library/music/111000taking-note.html
“魅力ある色彩家” “豪奢で荘厳な和音がきらきら光り、いくつもの渦巻きを描いていく。それはあたかも岡城の手がピアノの内部にあって音を彫刻し、前面に押し出しているかのようだ。素晴らしい……”(ニューヨーク・タイムズ紙)https://www.nytimes.com/2000/03/10/movies/music-review-composers-linked-by-resonance-and-grace.html
“岡城千歳の完璧なテクニックの熟達に対し、むじゃきにも口をぽかんと開けて畏怖の念に打たれ、座っているのみだった。” “リヒテル、ノイハウス、岡城、フォドロヴァ、ソフロニツキーの個性的な演奏に乞うご期待”(アメリカンレコードガイド)、“岡城千歳は驚異的な才能のピアニストである。驚くべきピアニストだ。.....自分でも全く驚いたことに、私は完全に圧倒されてしまった。……その上、それはリストのようなショーマンシップではないのだ、ただ赤裸々で恐ろしいまでの音楽的才能なのだ。……息をのむような演奏.....まさしく爆発的効果.....驚くほど大胆”(ミュージックウェブ・インターナショナル、イギリス)http://www.musicweb-international.com/classrev/2003/Jun03/Mahler1piano.htm
“彼女の演奏は常に独特で全く並外れたものだ。”“素晴らしい”“すごい、いったい手は何本持ってるんだろう?”(ファンファーレ、アメリカ)、"全編に鬼気の迫ってくるような凄演に仕上がっている……これほどの緊張感と気迫をもってピアノで表現するとは!……やはりただ者ではない。驚愕の一枚。" (有線音楽、日本)、”型破りな才能”(音楽の友)、”その多彩で豊穣な音色のピアノの魅力で聴き手を引き付けてしまった技量は、並大抵のものではない。”(レコード芸術)、"完全に心を奪われてしまった.....度肝をぬくような繊細さと詩的さだ!"(蔵アシカ、フランス)、“岡城は、驚異的なテクニックと味わい深いルバートを用いて演奏しており、実に魅力的だ。恐ろしいほど急速な曲でも、信じ難いほどの詩的な演奏を聴かせるので、驚かないではいられない。……とても信じ難い。……素晴らしい。” “(ホロヴィッツやアシュケナージのような偉大なロシア流派や)他の大部分のピアニストは、少し成熟していないように見えるところがあると認めざるを得ないが、岡城の抜群の解釈は、鋭い洞察力でスクリャービンの肉体と精神を与えるものとして現在のトップに躍り出るものだ。”(イン・チューン)、“宝石だ”(ビルボード)、"一流ピアニストの発見"(レパートリー、フランス)“……並外れたレコーディングだ。……間断のない強烈さとヴィルトゥオーソ性で多彩な音のシャワーを創り出す。最後には、ワオ!と思わざるを得ない。……繊細さと美しい色彩の音色の演奏。”“岡城は最高の意味でのヴィルトゥオーソだ。”(ボストン・パトリオット・レジャー)、“この素晴らしいCDは、私が出会った中でも最も知的で刺激的なピアノリサイタルのひとつだ。”(ニュービーズ・ガイドクラシックCD)、“真の天分を持った若いアーティスト” “筋金入りのスクリャービン弾き”(レコード芸術)、“……素晴らしい。(シューマンの交響楽的変奏曲は)私がかつて聴いたものの中でも最高の演奏だ。”(クラシカル、ロンドン)、“めったにないほどカラフルで豊かに多彩な解釈。……ルノワールのパステル画を見ているようだ。”(CDレビュー・オブ・ザ・ウィーク)、などがある。
現在ディスコグラフィは14枚。通算7枚目リリースの「チャイコフスキー交響曲第6番悲愴ピアノトランスクリプション」、8&9枚目「坂本龍一ピアノワークス1&2」、10枚目「マーラー交響曲第一番巨人ピアノトランスクリプション」、11枚目「ビートルズトランスクリプション」は日本でヒットチャート入り。6枚目「ワーグナーピアノトランスクリプション」は日本でのHMV賞、「マーラー巨人」はイギリスのClassic Music on the Webでレコーディング・オブ・ザ・イヤー賞、「チャイコフスキー悲愴」はフランスのクラシカ誌でレコメンデ(推薦)、フランスのディアパソン誌で5つ星受賞、ドイツのピアノ誌でCDオブ・ザ・マンス賞、「スクリャービン法悦の詩ピアノトランスクリプション」は フランスのレパートリー誌でレコメンデ(推薦)、フランスのディアパソン誌で5つ星受賞。「スクリャービン法悦の詩」はコニュス2台ピアノ版を岡城が更に手を加えたもので、一人多重録音、世界初演。リリース当時一人多重録音はクラシックの世界では初の試みだった。14枚目リリースは「スクリャービン:プロメテウス交響曲ピアノトランスクリプション」岡城による1-7台用編曲、一人多重録音の予定。「従来の価値観に捕らわれず、より新たなピアノの表現と可能性を求め挑戦していくのが好き。」という。
ピアニストとしてだけでなく、レコーディングプロデューサーとしても活動。プロピアノレコードのアーティスティック・ディレクター、そしてプロデューサーとしても活躍した。演奏家の個々の個性をいかに繊細にいかしてどのようにレコーディングに形にしていくか、をプロデュースのモットーとしている。グレン・グールドのレコーディング哲学とその可能性に傾倒し、録音の本質を学んだ。プロデューサーとしてのさまざまな経験は、ピアニストとしての自身をプロデューサーの冷静な目で見つめ観察する要因となり、ピアニストとしてまた芸術家としてのより大きな成長をもたらしている。
自身の9枚のCDリリースと、数多くの国際的ピアニストとのプロデュース経験を経たのち、2002年にニューヨークにて、彼女自身のレコードレーベル、”シャトー”を設立。シャトーの目的は音楽の新しい可能性をさまざまな視点、角度から、古い固定観念にとらわれず純粋に追求していくこと。高度にアーティスティックな製品は、首尾一貫したアーティストの思想によって運営管理され、それによってリスナーとより直接的かつ深遠なコミュニケーションをかわすことを目指している。
最近ではブージー&ホークス出版社でピアノ編曲家としても活躍。これまで編曲を依頼されたアメリカの作曲家には、ジョン・アダムズ、スティーブン・マッキー、デイビッド・T・リトル、クリストファー・ラウス、マイケル・ドアティ、アルゼンチン作曲家オスバルド・ゴリホフなど、編曲を手掛けた作曲家にアルベルト・ヒナステラ、エリオット・カーターなどがいる。ジョン・アダムズのオペラから抜粋された、岡城の編曲による「コーラスとピアノのための曲集」は2017年3月26日にロサンジェルスのディズニーホールで初演され、ロサンジェルス・タイムズ紙で好評を博した。クリストファー・ラウスのヘイムダールトランペット協奏曲の編曲はポール・リビア賞を受賞した。
カーネギーホールでニューヨーク・デビュー後、ソロ、室内楽、協奏曲の演奏で、リンカーンセンター・サマーフェスティバルの他、ニューヨークをはじめ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ等のアメリカの主要都市、カナダ、さらにヨーロッパではダヴィッド・オイストラフ・フェスティバルに出演の他、各地で演奏。日本においても東京の他、各地で演奏、さいたま芸術劇場ピアニスト100シリーズなどにも出演している。
桐朋女子高等学校、桐朋学園を経て、ジュリアード音楽院修士号を取得。マンハッタン音楽院プロフェッショナルスタディズプログラムにて、伝説的ピアニスト、アルトゥール・シュナーベルの息子、カール・ウルリッヒ・シュナーベルに師事。
“才能豊か、大胆、かつ知的…岡城千歳は自らにそして自らのアートのこころに忠実なピアニストであり、新世代のピアノ演奏の救世主である。”
---ミッシェル・ブロック ピアニスト